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瀕死の野良猫ちゃちゃまるが家猫として猫生を再スタート

野良ちゃん時代のちゃちゃまる

独特の表情で歩いて向かってくるちゃちゃまるの姿
ちゃちゃまるがまっすぐ向かってくる時の表情は独特

私が公園で餌やりを始めて、瀕死の状態のちゃちゃまるを発見し保護に至るまで、週に1、2回、わずか4カ月程度でしたが、ちゃちゃまるを含め公園に住んでいる猫ちゃんたちへの餌やりを続けていました。餌やりのために公園に車で到着すると、いつも真っ先にちゃちゃまるが、独特の表情で、一歩一歩ゆっくりと歩いて向かって来ました。どんな種類の餌も好き嫌いなく何でもたくさん美味しそうに食べてくれるお利口さんで、とても個性的な存在でした。いつも公園の駐車場にいるちゃちゃまるたちに先に餌をあげて、公園を餌やりで一周した後に、まだ余っていてもったいないウェットフードや牛乳は、最後にもう一度ちゃちゃまるを呼べば、茂みで寝ていても必ず現れて、全部綺麗に食べてくれました。

仲間の猫ちゃんたちはみんな喧嘩せずに仲良く食べてくれていましたが、ちゃちゃまるは一度食べ始めると動かずに黙々と食べ続けるので、ちゃちゃまるが食べ終わるまで、他の猫ちゃんは横でじっと順番を待っていることが多かったです😸

ちゃちゃまるはいつもたくさん食べるのですが、ほぼ毎回とても辛そうにゴホゴホ咳込んで、目からは目ヤニがいっぱい出ていたので、体も大きいし、きっとわりと高齢の猫なんだろうなと思っていました。歩くのもゆっくりで、はしゃぎまわっている姿を見たことが有りませんでした。今から考えると、あの頃は呼吸するのもちょっとしんどかったのかもしれません。食後は毛繕いを必ずして、草むらで横たわってすぐに寝ていました。

家猫だったのを公園に捨てられていたため、とても甘えん坊さんで、何度か餌をあげるためにしゃがんでいると、膝の上に乗ってこようとしました。ちゃちゃまるが凄く大きいのと、潔癖症気味の私はちゃちゃまるを抱っこしてナデナデしてあげることができず、家に帰ってから「あ~、可哀そうなことをしたな~。膝の上に乗せてあげて愛情を与えてあげるべきだったな~。」と、何度も思い出して後悔していました。

色々考えた末に、毛が付きにくく拭き取りが簡単な携帯用ひざ掛けと、折り畳み式の軽量の椅子、家猫だったからきっと爪とぎ器も喜ぶだろうと購入し、公園に餌やりに行く際にはいつも持って行っていました。折り畳み式の椅子に座ったら、ちゃちゃまるは予想通りすぐに膝の上に乗ろうと近づいてきましたが、膝にジャンプした直後、ツルツルとした生地の膝掛けが滑って、ちゃちゃまるはすぐに下りてしまいました。それ以来乗ってこようとはしませんでした。大失敗です😅💦でも爪とぎ器はとても気に入って、毎回置くと喜んで飛び乗って爪とぎをし、終わった後もその上でずっと寛いでいました。

公園では猫疥癬の病気が徐々に蔓延

出会った頃はとても毛並みが良かったちゃちゃまるも、仲間の猫から猫疥癬が移り、皮膚がボロボロになり始めていました。いつも痒くて掻いていました。猫疥癬は皮膚の下を虫が移動するので、移動した後が道のように筋を作り、その痒さのせいで衰弱して命を落とす猫も少なくないと獣医師から聞きました。想像するだけでも辛いです。公園内の「パンダ」と呼ばれていた野良猫ちゃんが、疥癬の症状が悪化して日に日に元気が無くなり非常に心配な状況になっていました。疥癬になるとどんな風になるのかを知りたい方は、一つ前の記事、「野良猫への餌やり活動を通して大切なことを学ぶ」でご覧ください。

右目の目頭には大きな穴、目ヤニも酷い状態

ちゃちゃまるは目の炎症、咳、疥癬の3つの辛い症状を抱えていました。その後保護して病院で治療してもらい完治したのは疥癬だけで、上の写真の様に、今でも目頭には痛々しい大きな穴が開いたままで、咳の症状も2年以上経った今でもまだ時々あります。猫ちゃんが野良として外の世界で生きるのは本当に過酷だということがわかりました。

瀕死に陥る数日前の面白い出来事

瀕死に陥ったちゃちゃまるを保護に至る日の数日前の出来事ですが、初めてちゃちゃまるが猛ダッシュして高い木の上まで駆け上がるアグレッシブな姿を見ました!実はちゃちゃまるは新入りのとってもキュートな雌の「キジちゃん」に恋をしていました😸❤ この日のちゃちゃまるの行動は4コマ漫画のように面白くて、笑いを堪えて写真とビデオを撮るのが大変でした😂

とっても美人の若い雌猫、キジちゃん

いつもは公園の下の方にある入口の駐車場でしか行動していなかったちゃちゃまるが、この日は大好きなキジちゃんの後をつけて、上の方へやって来ました。背後から抜き足差し足忍び寄る姿は完全にストーカーです😹下の写真ではキジちゃんとちゃちゃまるの距離が近く見えますが、実際はキジちゃんには気づかれないくらいの距離が有ります。でも、ちゃちゃまるの顔が大きいので、写真では遠くにいるようには見えません😸

公園に行く際には私はいつもかなりズームが効くカメラと、ビデオカメラを大好きな野鳥観察のために常に持参していたので、うまくその瞬間を写すことができました。

キジちゃんを背後から見つめるちゃちゃまるは、まるでストーカーの表情

残念というか、可哀そうなことに、実はキジちゃんにはちょっと前から相思相愛の雄猫の「チビ助」がいました。キジちゃんはその子との待ち合わせ場所へ向かって歩いていたのです。そうとも知らず、ちゃちゃまるはキジちゃんの後を追い続けます。撮影中、おかしくて吹き出しそうになって手が震えました😂

チビ助の元へ向かうキジちゃんの後を追うちゃちゃまる

ちゃちゃまるは撮影中の私には目もくれず、黙々と狙いを定めてゆっくり歩き進みました。公園内を歩くちゃちゃまるを見るのは、これが初めてのことでした。歩いているだけでもキャラ的に面白くて震える手を止めるのが必死でした😂

撮影している私の前を通り過ぎるちゃちゃまる

そして、2匹の前までたどり着いたちゃちゃまるは、なんと、2匹に見向きもせずに通り過ぎたのです!チラッと見ることさえもしませんでした😳 私は『あれ?なんで?キジちゃんを追ってたんじゃなかったの?』ととても不思議に思いました。ちゃちゃまるはどこへ向かって歩いてるの?と目で追い続けると、知らぬ顔して通り過ぎたちゃちゃまるは反対側の植栽の陰に身を潜め、別の角度から2匹を監視するための、まさかのフェイントだったのです🤣 しかも、本人は気付かれていないつもりかもしれませんが、2匹ともちゃちゃまるに見られてるの気付いてるし😹バレバレのちゃちゃまるおもしろ過ぎる😸

ちゃちゃまるに監視されていることに気付いた雄猫のチビ助は、キジちゃんの前で男らしいところを見せようとしたのか、ちゃちゃまるに向かって歩き始めました。

ちゃちゃまるに気付いたチビ助が警戒する姿
チビ助、ちゃちゃまるに気付く

ここから勃発した可愛い雌猫キジちゃんをめぐっての雄猫同士の争いは、一部始終4Kビデオカメラで納めましたが、まだ編集していませんので、後日動画をアップしたいと思います。

この雄猫同士のバトルがどうなったかというと、あのいつもゆっくりのそのそ歩き、咳込んでばかりいたちゃちゃまるが、歩いて向かってきたチビ助めがけて猛ダッシュで突進し始めたのです!😲 若い雄猫チビ助は、大慌てで、必死で猛スピードで反対方向へ逃げました!ちゃちゃまるはチーターか豹か⁉ と思わせるくらいのスピードで200mくらい先にある高い木の上までチビ助を追い一気に登り切りました!😲

二匹は木の上で一触即発の状態。ちゃちゃまるが大声で「ニャ~オ、ニャ~オ、ニャ~オ」と威嚇しながらチビ助のすぐそばまで近づいて行きました。チビ助は震えて泣きながら応戦してる感じでした。私はこのままではどちらも大怪我をし兼ねないと、「ちゃちゃまるー!止めなさい!降りてきなさい!」と何度もちゃちゃまるに話しかけました。しばらくして私に気付いたちゃちゃまるは、木からようやく降りて来ました。その後にチビ助が下りて来たところをまたちゃちゃまるは追いかけ、結局離れた場所の別の木の上までまた追い詰め、公園中に響き渡る大声での威嚇が続き、引っ掻き合いになり始めました。ちょうどその頃、ちゃちゃまるの名付け親でもあるMさんが餌やりにやって来て、事情を話したところ、ちゃちゃまるを木から抱っこして降ろし、チビ助から遠いところへ連れて行ったので、ようやく喧嘩が終わりました。最終的に2匹とも怪我を負わずに終わったのでホッとしました。この時に私は『Mさん、よくあんな大きな猫を抱っこできるな~、怖くないのかな~😵』などと心の中で思っていました。まさか自分がちゃちゃまるを赤ちゃんのように抱っこする日が来るなんてことは全く想像すらできませんでした😄

瀕死の状態のちゃちゃまるを発見

忘れもしない2019年2月12日火曜日、上に書いた恋のバトルの3日後、あんなに元気だったちゃちゃまるが、死の淵をさまよっていました。この頃ちゃちゃまると仲間の猫ちゃんたちは、駐車場のすぐ上の池に面した広場で日中は日向ぼっこを良くしていました。

餌を持って上に上がる前に、私の車に気付いてすぐにいつも駆け寄って来たちゃちゃまるが、この日は全く来ず、あれ?と思って階段を広場に向かって登っていきました。他の猫ちゃん2匹が階段中腹まで私を迎えに来て、登り切った時にちゃちゃまるが向かい側の池の方向を向いてお日様に当たってジッと座っているのが目に入りました。「ちゃちゃまるー!ちゃちゃまるー!あれ?ちゃちゃまるー!ご飯持って来たよ~。」背後から話しかける私にちゃちゃまるは全くの無反応で、微動だにしませんでした。こんなことは今まで一度もなかったし、ご飯に全く反応しないなんて、どうしたんだろう?と餌を入れた器を持って、背中を向けて座っているちゃちゃまるの正面へ回り込みました。「キャーッ‼」っと私は大声で悲鳴をあげました。

ちゃちゃまるの右目は真っ黒く大きな穴がぽっかり開いたように見え、両鼻の穴から地面につくほどのドロッとした鼻水が垂れ下がり、見るのが恐ろしいくらいの形相に変わっていました。「ちゃちゃまる!一体どうしたの⁉何があったの⁈ちゃちゃまるー!お願いこっち向いて!」と泣きながら叫びました。隣にはカラスが二羽、ちゃちゃまるの死ぬのを待っているのか、傍を放れませんでした。時々「カーッ」とちゃちゃまるに威嚇して、ちゃちゃまるがまだ生きているか、それとももう死んでいるかを確認しているようでした。

今まで一度も怪我をした猫などを保護した経験がなかった私は、どうしたらいいのか、かなりうろたえました。いつもならそろそろ毎日餌やりに欠かさず長年来ているおじさんが現れる時間帯なのに、こんな時に限っておじさんが現れません。おじさんを待って助けてもらうべきか悩みましたが、ちゃちゃまるの状況は一刻を争う状態で、悠長なことを言っている時ではありませんでした。

ちゃちゃまるに、「ちゃちゃまる!キャリーケージ買って戻ってくるから、お願いだから何処へも行かず、ここにこのまま座ってて!」と言って、ちゃちゃまるもためにいつも持参していた爪とぎ器をちゃちゃまるに見せて下に置きました。ちゃちゃまるは20cmくらい高さがある囲いの上に座っていたのですが、それまでご飯や牛乳を見せても微動だにせず、反応がゼロだったちゃちゃまるが、ソーっとそこを降りて、爪とぎ器の上にうずくまるように乗ってじっとしていました。「カーッ!」と再度威嚇して近付いてきたカラスに、ちゃちゃまるは力を振り絞って睨み返しました。その時のちゃちゃまるの目は、カラスに対する怒りと恐怖心が入り混じっているように感じました。

私は心の中で『神様、どうか私が買って戻ってくるまで、ちゃちゃまるが何処かへ隠れて見つからないというような事が有りませんように!生きて待ってくれていますように!カラスにつつかれて殺されませんように!』と祈りながら、近くのホームセンターまで車を走らせました。

キャリーケージを持ってちゃちゃまるの元へ戻ってくるまで25分くらいかかりました。祈る思いで階段を駆け上がると、ちゃちゃまるがじっと爪とぎ器の上でうずくまってくれていました。ちゃちゃまるに再度食べ物を近付けると、今度はなんとか少し食べてくれました。食べているちゃちゃまるの背後からソーっと両脇を抱えるように抱き上げてケージに入れることができました。暴れて引っ掻かれるんじゃないかとか、いろいろ不安でしたが、抵抗する元気がなかったので、なんとか大きなちゃちゃまるをケージに収めることができました。

たまたまですが、この一週間くらい前に別の場所で、目に酷い怪我を負っている野良猫を家の近所で見つけ、その子はすぐにどこかへ走って逃げていなくなりましたが、怪我をした可哀そうな猫を今後見つけたらどうしたらいいのかを聞きたくて、地元の動物病院に数件電話をして、「野良猫ちゃんが怪我をしていたり、事故にあったのを見つけたら、どうしたらいいですか?お金をきちんと払えば現場に来て処置をしてもらえるのでしょうか?」などと問い合わせをしていました。その内の一つの動物病院、貝塚市にある「リーフ動物病院」さんが、とても親切に答えてくれたので、何かあったらここへ電話して連れて行こうとスマホに電話番号を登録していました。そのことを思い出してリーフ動物病院へ電話を入れ、ちゃちゃまるを車に乗せて向かいました。

車内ではちゃちゃまるは車に乗せられた恐怖で力を振り絞って泣き叫び、何度もくしゃみをして、しぶきが助手席に飛び散りました。実は私は、野良猫ちゃんを素手で触ることはできないどころか、キャットフード類でさえ、手につくのが嫌で毎回使い捨ての手袋をして、手袋をしていても汚れていそうなものには恐怖で触れることができない潔癖症でした。そんな私がドロドロになった鼻水を車の中で飛び散らされた時の恐怖とやらは尋常ではありませんでしたが、心の中で何度も自分に対して「汚れなんか、気持ち悪くても後で手袋をして掃除をきっちりすれば良い!自分の潔癖症は異常!ちゃちゃまるの純真無垢な命と車を汚さないこととどっちが大事やねん」と何度も自分に怒り続けました。

野良猫ちゃちゃまる、12日間の入院を経て

4、5日が山場

道に迷いながら、なんとかリーフ動物病院に到着。処置室でちゃちゃまるをケージから出して見た先生も、「あー、これは酷いね。目はいったいどうなってるのかな?見えてるのかな?」私は「目がぽっかり穴が開いたようになっているのでカラスがつついて目がなくなったかもしれません!ずっとカラスが2羽、傍にいました!」と説明しました。でも、それは私の目の錯覚だったみたいで、穴がぽっかり開いて黒く見えていたのではなく、目頭の奥から黒い塊が大量に出て来て、目を完全に塞いでいました。先生がそれをそーっと除去して、目がまだ見えるかどうか確認したところ、幸いなことに視力は失っていませんでした。ただ、塊を取った後は白い膜のようなものが癒着して普通の状態の目ではありませんでした。熱を測ると39.5℃もありました。(この日と入院中のちゃちゃまるの写真は撮りませんでした。怖くて、可哀そうで撮れませんでした。)

そして下の画像はその日の血液検査結果報告書ですが、ちゃちゃまるは猫免疫性不全(猫エイズ)ウイルス(FIV)抗体検査が陽性でした😥 猫白血病にはかかっておらず、その他内臓系にも異常はなかったことだけが救いでした。

血液検査結果

先生から「猫の小さな体でこの体温はかなりきつい。ご飯を食べる元気ももうないようですし、非常に厳しい状態ですね。このまま公園へ戻せば間違いなく死んでしまうでしょう」と言われました。でも、私が住んでいたマンションは分譲ですが、ペット禁止で、しかも隣に一人で住んでいる年配のおじさんがかなりの変わり者、上の階の子供たちの声や遊ぶ音でも気が狂ったように怒鳴って壁をガンガン叩く人でした。プラス、先ほど言ったように私は潔癖症で、ちゃちゃまるの皮膚疥癬でボロボロ落ちてくる死んだ虫や皮膚のことを想像するだけで気絶しそうでした。とりあえずその日は先生に「マンションでは面倒を見れないのですし、他にお願いできる人もいないので、お金はきちんと責任をもってお支払いしますので、どうかちゃちゃまるを入院させてください。」とお願いをし、ちゃちゃまるのために公園へいつも持参していた爪とぎ器もケージに一緒に入れさせてくださいとお願いをして帰りました。

家に帰ってからずっと、『ちゃちゃまるがどうか快復しますように』と祈り続けると同時に、『もし回復したら公園へ戻すしかないけれど、弱ってしまっているからすぐにまた病気になるかもしれない。でも家では絶対に飼えない。とても大きな猫だし、隠しきれないし...。』と堂々巡りし続けました。

翌日、病院へちゃちゃまるの様子を見に行きました。体温は39.4℃で全く下がらず、流動食も拒絶して一切食べられないままでした。先生から「もしこのまま4、5日熱が下がらず、食べることもできなければ、もう無理だと思います。」と言われ、ちゃちゃまるの姿はボロボロのままで、見るも無残な状態でした。一生懸命にちゃちゃまるに話し掛け、頑張って!と頭をなでなでしながら言い続けました。3日目は体温39.1℃でほんの少し下がったように見えましたが、ご飯はまだ食べれず点滴のみ。ちゃちゃまるの好きうなウェットフードを持って行って、匂いを嗅がせたり、大好きだった鰹節を見せて親猫のように目の前で食べて見せたり、病院でいろいろ試しましたが、無反応でした。病院のケージ内では入院時に持参した爪とぎ器の上でずっとうずくまっている状態だと聞きました。先生からは明日も同じ状況ならいよいよ厳しいですと言われ、ちゃちゃまるに「ちゃちゃまるー!聞こえるー?いつものご飯と牛乳持ってくるお姉ちゃんよ!お願いだから頑張って生きて!生きていたらきっといつか頑張って良かったと思える時が来るはず!お願いちゃちゃまる頑張って生きて!死なないで!」と泣きじゃくりながら繰り返し言い続けました。帰ってからもちゃちゃまるのことを考えると涙が止まりませんでした。『ちゃちゃまるがもし奇跡的に助かったら里親探しをしよう!大きな体で猫エイズウイルスも持っているけれど、可能性はゼロじゃないはず・・・』と、住んでいる地域に近いボランティア団体を探し電話をしました。「行き場のない子をできる限り保護して里親探しをしてあげたいのですが、猫エイズ陽性、加えて猫疥癬を患っている状態の子になると、保護している他の猫たちに移ってしまう可能性があるので、難しいです。」とのことで、絶望的でした。

大きな決断

策のないまま翌日入院4日目のちゃちゃまるに会いに病院へ行きました。体温は39.8℃まで上がっていました。ただ、ほんの一口程度だけですが、初めて流動食を少し飲みこんで排尿があったという朗報が有りました。「このまま徐々に食べる量が増え、かつ熱が下がれば良いのですが、今も危険な状態であることには全く変わりはありません」と言われましたが、少しでも食べれたということは生きる気力があるはずと、その小さな変化にとても嬉しく思いました。この日、帰ろうといつも通り、「ちゃちゃまる、じゃあまた明日会いに来るからね!頑張ってね!」と言って立ち去ろうとする私に、処置台の上のちゃちゃまるは力を振り絞って私にしがみついてきました。先生と助手の方も驚いていました。この時に心に決めました。「ちゃちゃまるがもし元気になれたら、自分が面倒を見るしかない。一度大人になってから公園に捨てられ、今は自分を母親のようにきっと感じ始めている。もし公園に戻したら、ちゃちゃまるは2度も人間に見捨てられたと思うに違いない。そんな酷い仕打ちはできない。きっとなんとかなる!なんとかするしかない!」と。実はこの頃既に私には近い将来トルコへ移住したいという夢が有りました。でも、ちゃちゃまるを家族として迎え入れるということは、その夢をちゃちゃまるが命を全うする日まで諦めないといけないということ。それでも覚悟を決めました。(この時はまさか猫を連れて飛行機で渡航できるなどとは全く知らなかったのです)

入院5日目、先生に私が家でちゃちゃまるの面倒を今後見るのでどうかちゃちゃまるの命を救ってくださいとお願いしました。この時の先生と助手のホッとして嬉しそうな笑顔は忘れせん。お二人とも心底ちゃちゃまるの行く末を案じてくれていたのだなと感じ取れました。体温は38.7℃、ようやく39℃を切りました。流動食も少し量が増え、毛繕いもし始めました。

マンションではペット禁止なのと、私自身が潔癖症であること、既に1か月後に予定を入れていたバリ島旅行で留守にすることなど、全部先生に相談をしました。「大きな猫ちゃんでもケージの中が自分の領域だと猫が学ぶと、狭いスペースでも猫にとってはそこが安全な場所で落ち着く場所になるから問題ない。主にケージ内でいれば部屋中を汚すこともないでしょう。海外旅行中はペットホテルでは多分野良猫上がりで猫疥癬が治癒していても、まだ肌がボロボロな猫は預かってもらえないでしょうから、こちらで有料ですが最低限の金額で預かることができます。その間にもし体調が快復していて問題なければ去勢手術もしておきましょう。」とのことで、いろいろ相談にのってもらえてホッとしました。この時初めて知ったのですが、去勢手術をしていない雄猫は臭い付け(マーキング)のためのスプレー行為をあらゆる場所にするということも知りました😵

ちゃちゃまるは私が家猫として迎えることを察したかのように私の決意と同時に日々回復して元気になっていきました。6日目には入院後初めて猫らしく体を丸めてゆっくり寝たと聞きました。

7日目には、なんとちゃちゃまるがとうとう自力でウェットフードを食べ始めました!先生にモニターで見せてもらった録画映像を、スマホで録画したなので、モニターに映している私が反射して映りはとても悪いですが、その時の映像が下のものです。病院に預けた爪とぎ器の上に座って食べていました。嬉しくて涙が溢れました。

入院7日目初めて自力で食べ物を口にしたちゃちゃまる

4.6kgまで落ちていた体重も5.1kg になりました。普通の猫ちゃんで5kgというと痩せていませんが、ちゃちゃまるはとにかく体が大きいので5kgを切るとガリガリです。その後は毎日食べる量が増え、排便もスムーズで、体温もなんとか38℃前半をキープしてくれていました。毎回面会を終えて帰るときにはちゃちゃまるが『え⁉僕を残してまた帰るの⁈』っていう感じで驚いた表情をしていました😹入院11日目になぜかまた39.1℃に体温が上がってしまいましたが、翌日の12日目に退院させて家で療養させることにしました。

野良猫ちゃちゃまる、家猫としての人生が再スタート

運命

一度はもう生き延びれないだろうと諦めかけたちゃちゃまるの命。そしてまさか公園で餌やりをしていたあの大きな体の雄猫をペット禁止のマンションで家猫として迎え入れることになるとは・・・。しかも将来のトルコ移住の夢もほぼ諦めて ・・・。 ちゃちゃまると私は出会って一緒に暮らす運命だったとしか思えません。だって初めてちゃちゃまるを公園で見た日から、特別可愛いわけでもなく、目ヤニがたっぷり出ていて体が巨大。そんな子になぜか他の猫ちゃんたちよりも親しみを感じていたし、普段なら他のおじさんが餌やりに来ている時間におじさんが現れず、私がたまたま普段とは違う時間に訪れて、ちゃちゃまるが瀕死の状態で目に付く場所でうずくまっていて、私がそれを発見して、現在はトルコで一緒に仲良く暮らしている・・・やっぱり運命ですね!

入院中、公園で突如姿を消したちゃちゃまるのことを心配する餌やりのメンバーがいるだろうと思い、公園の案内図の隅っこと、ちゃちゃまるが寝床にしていた台風でボロボロに崩れ落ちた後の小屋の中に、餌やりメンバー宛に、入院中であることのメモを書いて貼り付けておきました。公園管理のおじさんたちに怒られるか、すぐに剥がされるかな?と案じていましたが、私自身が剥がすまでそのままにしておいてくれていました。その優しさに感謝です。そして、家猫として迎え入れたことを書いたメモを最後に残しました。餌やりに長年来ているおじさんたちは涙を流してちゃちゃまるが快復して、家猫になることを喜んでくれました。ちゃちゃまるの命をずっと支えてくれた餌やりメンバーには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

ちゃちゃまる一緒に家に帰り着く

退院して家に連れ帰った時のちゃちゃまるは、次の写真の様に痛々しい見た目でした。鼻からは血の混じった鼻水が常に出ていて、目は大きく開けられない状況でした。疥癬は虫の駆除は終わっていましたが、皮膚は回復前なので所々ボロボロになっていました。鼻水、目ヤニ、咳、この3症状は多分治らないし、感染しているFIV(猫エイズ)ウイルスがいつ発症するかわからない。そんなちゃちゃまるを一日でも長く幸せな生活を送らせることができるように、できることをきちんとして、ちゃちゃまると一緒に頑張ろうと強く決意した日でした。救いはちゃちゃまるが私に既に懐いてくれていて、とてもお利口さんだったことです。ちゃちゃまる、ママの子になってくれて本当にありがとうね!毎日感謝の気持ちでいっぱいです 🤗

病院から家に帰り着いた時のちゃちゃまるの痛々しい姿
退院して家に帰り着いた時のちゃちゃまる

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