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ちゃちゃまるとの出会い

「ちゃちゃまる」と「ラナ」
「ちゃちゃまる」と初めて出会った日の記念すべきツーショット

ちゃちゃまるに初めて出会ったのは2018年の10月、紅葉を観に行こうと訪れた大阪府泉州地区のとある公園の駐車場。

一人の年配のおじさんが、5,6匹の猫ちゃんに餌やりをしていました。あまりにも堂々と餌やりをしているので、おじさんの飼っている猫を一緒に連れてきたのかな?と思い、声を掛け、次のような会話がありました。

「こんにちは。この子たち、おじさんの猫ちゃんですか?」

おじさん「いや、この子らはみんな捨て猫や!平気で命のある罪のないこんな可愛い子たちを、みんな捨てに来るんや!」

「私も猫や動物が大好きなんですけど、餌やりをしたら怒る人が多いから何もできずにいるんです。この公園の管理者はOKされてるみたいで良かったです。」

おじさん「ちゃうで!ここの管理してるおっちゃんらとしょっちゅう俺は喧嘩してんねん!カラスが来るから餌やるなとか、餌を置いて行ったら容器ごと捨てて掃除されたりとか、そのたんびに俺は『お前らそれでも人間か!この子らになんの罪もないのに、いきなり飼い主に捨てられて、食べるもの無くてガリガリに痩せて、そんなん見て可哀そうと思わんのか!悪いのは誰や!捨てる奴が一番悪いんやろ!誰かがご飯やらんかったら、この子らどうなるねん!命ある生き物やぞ!お前らもし食うもんなくって何日間も路頭に迷って、誰も助けてくれんかったらどうやねん!どんだけ辛くて悲しいことか想像してみー!』って感じで何年間も喧嘩し続けてんや!別に警察呼ばれようが、何しようがこの子らのために毎日ご飯持って来たらなあかんっていう気持ちで餌やりしてるねん。」

「どのくらいの期間ここで餌やりを続けていらっしゃるんですか?」

おじさん「もう20年以上なるんちゃうかな。それまで若い男の子が餌やりしとってん。俺、退職後、嫁さんと時々ここに散歩に来てたんやけど、その子が一人で30匹ぐらいおった野良猫に毎日餌あげてるの見てて、俺も来る時はポケットにちょっと猫の餌しのばせて、あげるようになっててん。で、その子と時々会話するようになったんやけど、しばらくしてその子が困った顔で相談があると俺に言うから、話聞いたら、その子の親がカンカンに怒ってて、仕事もせずにニートで猫の餌やりばっかりしていい加減にしろ!すぐに止めんかったらお前を家から追い出すぞ!と言われて、もう来ることができない。でも今まで世話をした猫たちを見殺しにできない。おじさん、お願いですから後を継いで餌やりをやってください。ってお願いされたんや。俺、その時心の中で、そんなん毎日とか無理やし、隠れてソーっとたまにあげてたけど、公園の管理のおっちゃんらに何言われるかわからんし、絶対に俺には荷が重すぎる!って叫んでたんやけど、その子の涙流してる姿見て、断れんかってん。その日から俺、一日も欠かしたことないねん。」

「え?20年以上一日も欠かさずですか⁉」

おじさん「そうやで。台風の日も元旦も、一日も欠かさず皆勤や。台風とか大雨の日はなおさら、あーあいつら腹減ってるやろな~、とか気になって仕方ない。」

なんと、そのおじさんは、この公園にわざわざ車で15分くらいかけて来て、しかも数年前から奥さんの介護も自宅でしている状況でした。

私はおじさんの話を聞いてとてもショックを受けました。なぜなら、今まで私は世間体とか、反対意見の人たちの攻撃を避けることばかりに気を配って、結局長年、猫好きと言いながら、可哀そうな猫たちのために何もせずに生きてきたことが恥ずかしくなりました。明らかにこのおじさんとの出会いが私のその後の人生に影響を及ぼしました。

公園の駐車場で餌を食べる3匹の野良猫
駐車場にいた他の猫ちゃんたちが、おじさんからもらった餌を美味しそうに食べていました

そして次のような会話も有りました。

「おじさんは、家では猫を飼っていないんですか?」

おじさん「ここで保護した猫を4匹飼ってるんや。その内の1匹は腎臓病で介護必要な状態やし、嫁さんの介護、料理やその他の家事とかも全部やらなあかんから、この子ら助けてやりたくても家ではもう無理やねん。ほんまこの子らには申し訳ない。飯食わせてやるくらいしかできんのが辛いわ。以前はここの公園30匹以上常にいたけど今はもうこの駐車場の子らと、別の場所にいる子らで10匹くらいに減ってんねん。」

「やっぱり昔と違って最近は捨てる人も減ってきてるんですね。良かったです。」

おじさん「ちゃうでー!捨てる奴はたいして減ってないねん。今年の夏もそうやったし、過去何回も毒食わせたり、刃物で虐殺したり、えげつない連中がおんねん!警察にも言うたけど、ぜんぜんあかんわ。俺だけでなく、他の毎日のように来てる若い男性も、涙流しながら何匹この土手に死体埋めて弔ったかわからん。何十匹も殺されてんねん!捨てる奴や、虐殺する奴らを咎める運動が増えずに、餌やりする人間を批判する声が増えることが理解できんわ!」

この会話の最中に足元でご飯を食べていた野良猫ちゃんたちの内の一匹がちゃちゃまるでした。そのおじさん曰く、他に二人別の人が毎日公園内の別の場所にいる猫ちゃんたちに餌やりをしていて、その内の一人が「ちゃちゃまる」と名付けていたようです。他の子たちもみんなそれぞれ名前が付けられていました。野良猫ちゃん一匹一匹に対する優しさと深い愛情を感じました。

「ちゃちゃまる」おじさんからもらった餌を公園の隅で食べる
公園の隅で、おじさんからもらった餌を食べる「ちゃちゃまる」
口にミルクがついたままの「ちゃちゃまる」
大好きな牛乳を飲んだ後、口にミルクがついたままの「ちゃちゃまる」

ちゃちゃまるは、ひときわ大きい体の猫で、初めて見たときに「わー!この子凄く大きいですね!こんな大きい猫ちゃん今まで見たことないです!」とおじさんに言ったくらいです。この時はまさか私がちゃちゃまるを家で飼い、一緒にトルコへ移住するなんてことは想像だにしていませんでした。

ちゃちゃまるは右目にたくさん目ヤニが出ていて、餌を食べてる間もよく咳込んでいました。見るからに可愛い子猫も傍にいるにもかかわらず、なぜか私にはちゃちゃまるのことが一番気になる存在で、最初にスマホで写真を撮ったのも、ちゃちゃまるでした。

「ちゃちゃまる」の右目に目ヤニ
「ちゃちゃまる」の右目には目ヤニがたっぷり出ていました

目にトラブルは抱えていましたが、ちゃちゃまるは食欲旺盛で、おじさんからもらった餌を美味しそうにたくさん食べていました。でもやはり、野良ちゃんの状態では満足いく量を食べることができず、すごく痩せていました。

体は大きいが痩せている「ちゃちゃまる」
ひと際大きい体の「ちゃちゃまる」ですが、野良の時代はかなり痩せていました

ちゃちゃまるはとっても甘えんぼさんで、初対面にもかかわらず、しゃがんでいる私の膝の上に乗ってこようとしました。おじさんの話では、ちゃちゃまるは大きくなってから捨てられた元飼い猫のようで、ここに捨てられた1年くらい経つけれど、最初は恐がって隠れたままで、餌を食べに出てこれず、ガリガリにやせ細って、一週間くらいしてからようやく食べ始めたらしいです。この公園にいる他の猫ちゃんたちは、子猫の時に兄妹数匹でまとめて捨てられていて、ある意味兄弟がいたのと幼くて何もわからなかっただろうけれど、ちゃちゃまるは大人になってから捨てられてた子だし、体も格別大きいので誰にも貰ってもらえるわけがないので、一番可哀そうだと。私も心の中で『確かにこんなに大きな体の大人の野良猫を家に連れて帰って飼おうという人はいないだろうな・・・』とつぶやいていました。

寂しげな表情の「ちゃちゃまる」
寂しげで悲しそうな表情の「ちゃちゃまる」
駐車場でポツンと座って哀愁漂う 「ちゃちゃまる」
車場でポツンと座いる「ちゃちゃまる」の姿は哀愁が漂っていました 

でも、帰り際にポツンと広い駐車場でたたずんでいるちゃちゃまるの寂しそうで意味深な表情を見ると、なんだか後ろ髪が引かれる気持ちになりました。とりあえず、自分にできることは、おじさんを見習って時間のある時はこの公園の野良猫ちゃんたちに餌やりをしに来ようと、決意してその場を後にしました。


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